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名作洒落怖「リアル」ーあらすじ・解説

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ゆき
ゆき

こんにちは、先輩。今日はどんな話を教えてくれるんですか?

しろ
しろ

お、ゆきちゃんいらっしゃい。そうだね、今日はリアルという話をしよう

ゆき
ゆき

リアル……? どういう話なのか全然想像がつきませんね。解説お願いします!

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怪談情報

タイトルリアル
ジャンルオカルト

あらすじ

会社の同期に教えてもらった儀式をやってみた主人公。その儀式というのは、鏡の前で△をしたまま右を見ると◆が来るとか言うものだった。

そんなことしても、実際に来るわけがない。

そう高を括っていた主人公だったが、それは実際に現れてしまう。

身長は160cmほど、髪はボサボサで腰の高さまであるほど長く、顔には御札のようなものがたくさん貼り付けられていた。死装束のような服を着ており、ゆらゆらと左右にゆれている。

それからというもの、そいつは主人公につきまとった。時には部屋の中が荒らされていることもあった。

疲れ果てた主人公は、祖母が普段からお世話になっているS先生なる人物を頼って実家を訪れた。途中、詐欺のようなものに遭ったりもしたが、なんとかS先生になんとかしてもらえることになった。

S先生のお寺にお世話になるようになってから、5ヶ月が経った頃、ようやくお寺から実家に帰ることが出来た。しかしS先生によれば、まだ霊は終わっていないかもしれないらしい。

そして物語の最後、衝撃の事実が明かされる……

「リアル」とは

リアルは、2chのオカルト板「洒落にならないほど怖い話を集めてみない?」に投稿された話です。

有名所でいうと八尺様やコトリバコ、知る人ぞ知るレベルになってくると姦姦蛇螺なんかも、これと同じ洒落怖発の怪談・都市伝説になります。

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これらの怪談では、都市伝説の名称がそのまま怪談のタイトルになっています。ところが、リアルでは主人公に憑いた霊の名前がリアル、という訳ではないのが特徴です。

名前どころか、霊の情報がほとんど出てきません

分かっているのは、その容姿と、S先生曰くかなり力の強い霊らしいということくらいなのです。

先ほど紹介したような怪談には後日談があり、そこで怪異の詳細が語られるのですが「リアル」にはそのようなものが一切ありません。

ただひたすらに、軽率に儀式をやってしまったことへの後悔と、怪異への恐怖が綴られます

そして、話の節々に見える不自然な箇所と、最後に明かされる衝撃の事実。どんなことが明かされるかは、話を読んでのお楽しみということにしておきましょう。

「リアル」を読みたい方へ

ここまでで、「リアル」を読んでみたくなったという方もきっと居ることでしょう。そんな方は、こちらをご覧ください。

参考:2chの怖い話「リアル」|恐怖の泉

ここから先は、話のネタバレ要素多めに書いていくので、「ネタバレは嫌!」という方はぜひ先に話を読んでみてくださいね。

リアルにまつわる謎

ゆき
ゆき

まずやっぱり、あの霊の正体が気になるところですよね

しろ
しろ

そうだね。とりあえずは、あの霊のプロフィールとか、あの霊が関わった現象をリストアップしてみよう。

霊の見た目

  • 身長160cmくらい
  • 髪はバサバサで腰ほどまである
  • 前髪がすだれのように顔を隠している
  • 顔には御札のようなものが幾つも貼られている
  • 真っ白な死装束を着ている

霊の行動

  • 初めて主人公の前に現れたときは、ゆらゆらと左右に揺れているだけ
  • 主人公が部屋から逃げようとしたとき、揺れが大きくなり、うめき声のようなものを出した
  • 林の顔を、上半身を伸ばして覗き込んでいた

その他の特徴

  • 霊が現れたあとの主人公の部屋は、異様な量のヘドロが落ちていた
  • 部屋の明かりのスイッチ周辺に、多量のヘドロが付着していた
  • 主人公の首周りには、赤い発疹のようなものが現れた
  • その後、赤い発疹は化膿し、膿が溜まった
  • S先生によると、霊を成仏させることは叶わなかった

Discussion

こうやって情報をまとめてみて気づいたんですが、霊の性別もよく分かりませんね?

長髪というところから、勝手に女性かと思っていたのですが、リストアップして性別の情報がないことに気づきました。

それはさておき、霊の姿は死んだときの姿が多いことを踏まえると、生前から死装束を着ていたということでしょう。

もしそうなら、この人は呪術的もしくは魔術的な力を持っていて、村に災いをもたらすとかの理由で処刑されたのかもしれません。この理由なら、顔に御札がたくさん貼られていたのも、力を封じるためなのではと考えられます。

主人公の首周りに赤い発疹のようなものが現れたのは、処刑方法が首吊りだったからではないでしょうか。

霊が現れたあと、ヘドロが溜まっていたり、部屋が異臭に満たされたりしたのは、処刑後近くの沼などに遺体が破棄されたからなのでしょう。

発疹が膿んだのは、傷が霊のヘドロによって衛生的に保たれなかったからなのか、霊が受けた傷がそのまま現れたのか不明です。

後者だとすると、沼に遺棄された時点でまだ生存していたのでしょう。膿むという現象は、生体でないと生じないはずなので。

……しかし、生体だとしても、膿むには時間がかかるはずなので遺棄されたあとしばらく生存していたことになりますよね。自力で沼から這い上がって、そこら辺でサバイバルでもしてたのでしょうか?

本文中にも書かれてたけど、矛盾しているところってどこ?

最初、一回だけさらっと読んだ時、特に違和感を感じずに読んでしまいました。最後の最後で、「俺は〇〇だよ」というセリフを読んでゾクッとしたのみです。

おそらくですが、この話を〇〇が書き込んでいるとすると矛盾する箇所があるのだろうと思います。そういった点に注目して、もういちど読み直してみました。

すると、いくつか気になる点が見つかりました。こんな感じです。

  • 〇〇が書いているにしては、かなり詳細にTの体験を綴っている
  • 逆に、〇〇視点の情報が少ない
  • なぜ自分がTではないことを悟らせないようにしていたはずなのに、最後に明かしたのか
  • そもそも、なぜTを装ったのか
  • 冒頭で、祓うのに2年半かかったといった趣旨のことが書かれているが、本文を読んでみるとS先生の手紙を読んでいるのが霊が現れてから2年5ヶ月と書かれている

もしかすると、ふたつめの「〇〇視点の情報が少ない」については、自分がTでないことを隠していたので、その関係で情報を絞っているのかもしれませんね。

しかし、ひとつめはこの項で考えようとしている矛盾になると思います。たとえば……

  • 霊が現れたときの心情
  • 部屋から飛び出したあとの行動
  • 祖母からの電話の内容
  • 長崎に行ったあとのこと
  • S先生からの手紙の内容

こんなところになるでしょう。

この話を読む限りだと、ある程度〇〇とTは友人だったのだろうと思います。しかし、読めば読むほどそんなことまで話すかな〜という疑問が晴れないのです。

そりゃある程度は喋ると思いますよ? でも、〇〇が直接見てもないことをさも自分が見てきたかのように書かれているんですよね。どうしてそこまで知っているのでしょうか。

ただの脚色?

Tがおしゃべりだった?

実はこれを書いたのは〇〇というのは嘘?

……疑いだしたらきりがないですね

もし〇〇が本当に書いていたのだとすれば、「なぜ初めはTを装っていたのに、最後になって明かしたのか」「そもそも、なぜTを装ったのか」あたりが謎なわけです。

逆に、これを書いたのがTであれば、「なぜ最後に自分は〇〇だと嘘をついたのか」「最初に祓うのに2年半かかったと書かれているのに、約2年半経っても解決していないような雰囲気を出したのか」あたりが謎になります。

……よくよく読み込んでみたら、色々とおかしなところだらけですね?

話の最後に「矛盾を感じることもあるだろう」と書かれてますが、確かにいろいろと矛盾を感じます。

5日間くらいずーーーーーっとこのことを考えてるんですが、考えすぎて出口のない迷路に迷い込んでいる気がするので、ここらでやめておこうと思います。

「リアル」まとめ

リアルは、他の有名な洒落怖と違って、霊の正体が明かされないのがすごくモヤモヤして、でもそれが怖さを助長しているよい作品でしたね。

怖いだけでなく、おかしなところが色々と見つかって、「え?これどういうこと?」とこの記事を書くために何度も読み返しましたが飽きることはありませんでした。

その昔、リアルが書き込まれたときも2chでは凄く盛り上がり、考察も色々と飛び交ったものの結局答えが出ずに終わったと聞いています。それも今なら理解できます……

この話、怖さもさることながら、やはり一番は謎ですよね。謎のために色々な人が知恵を絞り、他の人の知恵を借りるために更にいろんな人に知られ、という殿堂入りになったのも納得でした。

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