検索してはいけない言葉、それはなんらかの理由により閲覧者に精神ダメージを負わせたり、閲覧デバイス(PCやスマホ)に被害を与えたりする検索キーワードを指します。
そして、『Blank Room Soup(ブランクルームスープ)』もまた、そのような検索してはいけない言葉のひとつです。
この記事では、ブランクルームスープとは何なのか? ブランクルームスープはなぜ検索してはいけない言葉になったのか? ブランクルームスープの動画が作られた背景などに迫っていきます。
ぜひ最後までお楽しみください。
注意
本記事は、検索してはいけない言葉の解説記事です。読者の皆さんに不快感などを与えるものが含まれている可能性があります。
苦手な方は他の記事をお楽しみください。
ブランクルームスープの概要
まずは一本の動画をご覧いただきたい。
動画の内容を整理するとこのようになります。
机だけが置いてある、空っぽの部屋で、ひとりの裸の男が泣きながらスープのようなものを食べている。
男は一見成人しているように見えるが、エプロンをつけていたり、器の周りに広く食べ物をこぼしていたりと、幼児的特徴を持っている。
その男を、謎の被り物をした人物があやすように頭を撫でる。被り物の人物は途中から2人に増えるが、その人も同様に頭を撫で始める。
この動画は、2014年1月28日にYouTubeチャンネルcreepypasteからアップロードされたとされています。
しかし、2023年11月17日(執筆現在)、YouTubeで「creepypaste」なるチャンネルを検索しても「ブランクルームスープを投稿しているcreepypaste」はヒットせず、真偽の確認は取れませんでした。
ブランクルームスープには続きがある
先ほど見ていただいた動画は、ブランクルームスープのパート1にあたる動画であり、パート2が存在します。
なぜブランクルームスープは検索してはいけない言葉になったのか?
ここまでブランクルームスープを2つ見ていただきましたが、なぜこの動画は検索してはいけない言葉になったのでしょうか?
その要因は2つあると考えられます。
深層Webとは?
『氷山の一角』という言葉をご存知でしょうか。
これは、海面から見えている氷は塊のごく一部であるように、物事について見えているのは一部だけであることを意味する慣用句ですね。
深層Webは、氷山でいうところの海面下に沈んでいる氷の部分。普通に検索しても表示されない、インターネットの裏の世界を言います。
もっとも、検索エンジンが敢えて表示していないWebページなので、有用な情報は載っていなかったり、それどころか有害な情報が混ざっていることもあります。
ブランクルームスープは、そんな深層Webから発掘された動画であるため、検索してはいけない言葉に指定されたのではないか、ということです。
ブランクルームスープは見た人に恐怖や不快感を与える
検索してはいけない言葉のWikiページを見ていると、「こんなの大したことないやん、大袈裟に騒ぎすぎ」などのコメントを見かけることがあります。
が、そのようなコメントは無視しましょう。
なぜか。それは、ブランクルームスープには、確かに人に恐怖や不快感を与える要素が含まれているからです。
(もちろん、それらの要素が含まれているからと言って、全ての人が不快感を感じるわけではないことをご了承ください)
人に恐怖や不快感を与えようと思った時には、『違和感』を上手く扱うのがポイントとなります。
『Blank Room Soup.avi』の動画にある違和感
これは私が気づいたポイントなので、他にもあるかもしれませんね。
ともかく、これだけの違和感を感じるポイントがたった1分強の動画に詰め込まれているのです。恐怖や不快感を感じても、何らおかしなことはないと言えます。
このように、ブランクルームスープは、単純に怖い・不快な動画だから、検索してはいけない言葉に指定されたのかもしれません。
ブランクルームスープの真相
ここまでは、ブランクルームスープについて皆さんに知ってもらうことを目的としていました。
以降は、ブランクルームスープの真実・背景についての調査結果を紹介するとともに、個人的な考察もお話ししていきます。
ブランクルームスープの真相に関する仮説
ブランクルームスープは、様々な方が仮説を立てていますが、『どうもこれが真のようだ』とハッキリしたものは未だ存在していません。
そのような仮説の一部をまずはご紹介します。
中々にぶっ飛んでてカオスな仮説が並んでいますね。
当ブログでは、4つ目のステルスマーケティング説を推しています。その結論に向かって考察を進めていきますので、そのつもりでついてきてください。
ブランクルームスープには元ネタがある
2014年に話題になったブランクルームスープですが、実はその9年前である2005年11月26日に「freaky soup guy」という動画が投稿されています。
見ての通り、「Blank Room Soup.avi」と同じ内容となっています。
さらにその1年後2006年9月8日、YouTubeチャンネル『adana』にて「soup torture」という動画が投稿されます。
しかし、2023年現在「soup torture」は削除されており、他の人が投稿している複製を見るしかありません。
内容的にはパート2と同じです。
動画内に登場する被り物の作者について
真っ白な面に穴が2つ開いただけのかなりシンプルなデザインの被り物。
実は、『RayRay』という名前のキャラクターであることが判明しています。
RayRayが登場する動画は、「freaky soup guy」を投稿した「renaissancemen」の他にも、「RayRayVision」「Raymond Persi」「Adana’s Children」に投稿されています。
補足:YouTube以外のプラットフォーム
YouTube以外にも、Dailymotion, metacafeといった動画共有サービスでRayRayの動画が投稿されています。
どちらも「RayRayTv」というアカウントから投稿されていましたが、metacafeの方はすでに閉鎖されてしまっています。
そして、先ほど挙げたチャンネルの中にも入っている「Raymond Persi」と「Paul Pistore」が、RayRayの作者だと言うのです。
根拠となるのは、バンドMutayorのサイトです▼
参考http://mutaytor.com/cast/rayray.php
このページには、このように書かれています。
RayRay first came to life from the imaginations of Raymond Persi and Paul Pistore, who teamed up in 2002 to bring Raymond’s self-referencing characters to life.
mutaytor.com
オレオレ翻訳
RayRayは、Raymond PersiとPaul Pistoreの想像から最初の命を吹き込まれました。2人は2002年に手を組み、RayRayにはRaymond自身の内面が投影されています。
被り物は盗難物?
ReignBotという海外のYouTuberがRaymond Persiにメールで問い合わせをし、その回答を得たというのです。
その動画が、2015年10月17日に公開されたこちらです。
回答ではこのようになっています。
(前略)
we found that most of our RayRay props and costumes had be stolen.
(中略)
A few weeks later, I got home from work, turned on my computer, and saw an email with an attachment.
オレオレ翻訳&サマリー
動画内ではこのように書かれていますが、これがRaymond本人の回答であるとするエビデンスはなく、真偽がわからない情報です。
もっとも、疑う根拠もないのですが……
バンドStolen Babiesとブランクルームスープの関連
ここに来て急に新しいバンドStolen Babiesに言及することとなります。
その訳は、海外の動画共有サイトmetacafeのRayRayTvにて、2007年12月29日に『Gil Is Missing』という動画が投稿されたためです。
※ この動画はオリジナルではなく複製です
バンドStolen BabiesのドラムGil Sharoneが誘拐されているシーンです。
脈絡がないように感じてしまいますが、実は案外関連がありそうなんですね。
というのも、YouTubeチャンネルRayRayVisionには、Stolen BabiesのMVが投稿されていますし、Stolen BabiesのボーカルDominique Lenore PersiはRaymondの妹という話があるからですね。
Dominique Lenore PersiがRaymond Persiの本当の兄弟であるかは確認できていない
都市伝説系ブログがこぞって『Dominique Lenore PersiはRaymond Persiの妹』と記述しているだけで、本当に兄弟であるかの確認は取れていません。
アメリカでは友達を意味するのにbrotherが使われますので、日本人なら勘違いを起こしそうです。
チップとデールと同じですね(チップとデールは兄弟ではなく親友)
ただ、兄弟でなかったとしても、とても良好な関係を築いていた可能性は高いかと思われます。
また、metacafeに投稿された動画の概要欄には、次のようなものが載っていたそうです。
A missing drummer. A lonely alley. Maybe RayRay has the answer…
Directed and Edited By: Raymond Persi
Assistant to RayRay: Elan Trinidad
監督・編集の欄がRaymond Persiとなっており、「Gil Is Missing」が何らかの意図を持って作成された動画であることは間違いないでしょう。
Stolen Babiesのアルバムが2006年に発売されている
2006年、Stolen Babiesからアルバム「There Be Squabbles Ahead」が発売されました。
最初に述べた通り、当ブログでは『ステルスマーケティング説』を推しているのですが、何の販促を狙っていたと考えているかというと、この2006年のアルバムです。
ここで、時系列順に関連した出来事を並べてみましょう。
- 2005年freaky soup guy
YouTubeチャンネルrenaissancemenで投稿
- 2006年soup torture・アルバム「There Be Squabbles Ahead」発売
YouTubeチャンネルadanaで投稿
- 2007年Gil Is Missing
metacafeのアカウントRayRayTvで投稿
- 2014年Blank Room Soup.avi
YouTubeチャンネルcreepypasteで投稿
ステルスマーケティング(ステマ)とは、広告であるにも関わらず、そのことを表示せずに行われる販促行動です。
この一連の動画がステマだとすると、ウィンザー効果や話題作りを目的としていると考えられます。
ウィンザー効果
当事者自らが発信した情報よりも、他者を介した情報の方が信頼性を獲得しやすいとする心理効果や心理状態。
出典:Wikipedia
流れとしては、「freaky soup guy」で掴み、「soup torture」で盛り上げ、アルバムの売り上げを伸ばす、そうでなくともバンドの知名度を上げる。
これが狙いだったのではないかと思われます。
この2点を踏まえると、ウィンザー効果を狙っているようにしか見えなくなってきます。
まとめ
ブランクルームスープは、2014年に投稿された「Blank Room Soup.avi」で有名となったが、「freaky soup guy」という2005年の動画が元ネタでした。
そして、「ブランクルームスープ パート2」として知られる動画は、「soup torture」という2006年に公開された動画が元ネタでした。
当ブログは、一連の動画はバンドStolen Babiesの広告が目的だったのではないかと考えています。
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