「地図には載っているのに、実際には存在しない島」というものを聞いたことはあるでしょうか。
その島は、出版社の誤植だとか、無断複写の予防である著作権トラップではないかとかが都市伝説的にささやかれています。
しかし、「存在しないと明確になったのは、発見から200年以上経ったとき」「グーグルアースにも載っていたことがある」など、長い間存在すると信じられていたのです。
今回は、そんな幻の島「サンディ島」についてご紹介します。
幻の島 サンディ島
サンディ島は、オーストラリア大陸の北東に位置する場所に描かれていた幻島です。
この島が初めて世に知られるようになったのは、今から200年以上も前の1792年のこと。
フランスの探検家アントワーヌ・ブリュニー・ダントルカストーが発見した小島の1つとして紹介されました。
>> A directory for the navigation of the Pacific ocean, 第 2 巻
その書籍は、こちらのリンク先から読むことが出来ます。
サンディ島は、829ページ目の真ん中あたりで言及されています。
これによれば、いくつかの小島が諸島をなしており、巨大な山の一部が海面に現れているように見えるのだそうです。
そして、その島々をMoulin、Reconnaissance、Lebert、Sandyと名付けたと書かれています。
サンディ島が地図に載った
地図を制作する際、他社の地図を参考にすることはあっても丸写しすることはなく、実際に訪れて確認をするそうです。
道路や建物、地形が昔のままである保証はないので、当たり前といえば当たり前かもしれませんが、地図を制作する範囲すべてに実際に足を運ぶことが物凄い労力であることは想像に難くありません。
サンディ島が地図に掲載されるときも同様で、実際に存在することを確認して新しい地図に掲載されます。
1876年、このサンディ島と非常に近い位置に存在する別の「島」と「環礁」の存在が報告されます。
サンディ島と、このとき報告された島と環礁との距離は、それぞれこのとおり。
これが、地図製作者によってサンディ島の存在が確認されたと誤認され、1908年に地図に掲載されてしまったというのです。
サンディ島が存在しないことが発覚
サンディ島が存在しないと大きく話題となったのは、2012年のことでした。
CRISOと呼ばれるオーストラリア最大の研究機関の学者が地図によってサンディ島が載っているものと載っていないものがあることに気づき、地質学チーム「サザン・サーベイヤー」が調査を行いました。
その結果、サンディ島があるとされていた場所には島はなかったことがわかりました。その代わりにあったのは、深さ1400mの海底だったそうです。
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