あらすじ
夕方、学校のトイレで用を足していた少年は、トイレットペーパーがないことに気づく。
そのとき、ドアの外に誰かがいる気配を感じ、少年はほっとして声をかけた。
「すみません。トイレットペーパーがなくなってしまって。新しいのを取ってもらえませんか?」
「青い紙と赤い紙、どちらがええ?」
……え?
その返事を聞いた時、少年は血の気が引いた。なぜなら、最近学校で話題になっている怪談だからだ。それは、赤い紙と答えると全身から血を吹き出すというもの。
――次の日、学校は大騒ぎとなった。血の一滴も残らず枯れ果てた少年がトイレで見つかったからだ。
概要
さて、多くの人が小学生の頃に聞いたことのある話「赤紙青紙」。
赤い紙と答えれば、全身から血を吹き出す。
青い紙と答えれば、全身の血を抜かれる。
少年は赤い紙と答えたときにどうなるか知っていましたが、青い紙と答えるとどうなると知りませんでした。そのため、青い紙と答えた結果、血を抜かれてしまいました。
そもそも、「赤い紙と答えようが、青い紙と答えようが、どちらにせよ…」という非常に理不尽な怪談です。この怪異に実際に遭遇した時点で、少年は詰んでいたわけですね。
この理不尽さはもはや災害です。しかし、小学生のころの私は、回避しようの無いこの怪談に非常に恐怖を覚えました。
ただトイレで用を足しただけなのに、どうしてこんなことにならなきゃいけないのでしょうか。それは恐ろしいことこの上ありません。今となっては笑い話にできますが、当時は小学校のトイレの個室には怖くて入れませんでした。
対策
私が小学生のころに読んだ本には、対策法とかは書いてありませんでした。
しかし、黙ってやられる小学生たちではありません。それぞれ独自の対策法を編み出してはみんなと共有したりしています。
代表的なものは、
- 黄色い紙と答える
- 白い紙と答える
- 何も答えない
などでしょうか。
黄色い紙と答える
どうも、黄色い紙と答えると、うんちまみれになるけど命は助かるらしいです。
当時の小学生はうんち大好きでしたから(今はどうなんでしょう?)
非常に小学生らしい回答といえるでしょう。
しかし、黄色い紙と答えると異世界に連れて行かれるという話もあるので、小学校のトイレにいる青紙赤紙はどっちなのかしっかり情報を集める必要がありそうです。
白い紙と答える
普通トイレットペーパーは白なんだから、白い紙といえばいいじゃんという、やや達観した大人(?) な対策。
私の通っていた小学校では、白い紙と答えると「何事もなくトイレットペーパーをもらえる」派と、「白くなってしまう(=血を抜かれる)」派がいました。
同じ小学校なのに派閥がある、というのも面白い話ですね。
何も答えない
答えたらだめなら、なにも答えなきゃいいじゃんという対策法。しかしこれにも怪談は対抗してきます。
なんと、トイレのドアを開かないようにしてしまいます。
……むしろ、それまでは開いていたのでしょうか?
まとめ
赤紙青紙は、小学校では非常に有名な怪談です。
また、小学生があの手この手で対策を考えると、どこからともなくその対策が講じられた赤紙青紙のうわさが流れてくる非常に柔軟性の高い怪談でもあります。
大人となった現在ではそんな噂もあったなと懐かしく感じるものですが、実際に遭遇したら恐怖で肝が冷えるんでしょうね……
コメント