リゾートバイトは、数ある洒落怖の中でも特に傑作と言われている話です。非常に面白いのですが、長編のため読むのはややハードルが高め……。
本編をちゃんと読もうと思うと、20分くらいかかるんですよね……
そこで、今回はリゾートバイトの概要を超圧縮! 5分ほどで概要を掴めるように抜粋しました。
「長い話は読んでられない」という方におすすめです。
洒落怖「リゾートバイト」のあらすじ
とある大学生5人が、夏季休暇中に旅行に行く計画を立てた。そのうち3人は、どうせなら海でバイトしようと、旅行先の旅館でアルバイトをすることにした。
旅館は2階建てで、広めの民宿だった。宿の人たちもすごくいい人ばかりで、これからのことに胸を膨らませていた。
ところが、しばらく生活をするうちに、3人はバイト先の女将さんの行動に違和感を覚える。何も用がないはずの2階に食べ物をもって上がり、5分ほどで降りてくる。しかも、降りてくる時にはもって行ったはずの食べ物がなくなっている。
そこにあるものを確かめようと、彼らは2階へと足を踏み入れる。
後2人は、ゼミのために後で合流することになりました。これが命運を分けるとも知らずに。
2階で一体なにがあったのでしょうか……!
旅館の2階へ行ったときに何があったのか
階段は、旅館の外から入れる扉の先にあり、階段を上りきると再び扉があります。
幅は人が1人歩ける程度だったので、3人のうち1人だけが2階へ、2人は下に残り危険があればすぐに知らせるという分担になりました。
階段を上った人
階段を上ると、次第に「パキッパキッ」という音が聞こえるようになり、さらに進むと酷い異臭がするようになります。異臭の正体は残飯。大量に積み上げられたそれが腐敗して、異臭の元となっていました。
階段の先の扉は、ベニヤ板が釘で打ち付けられており、大量のお札も貼り付けられていました。
急いで帰ろうとしたそのとき、扉の向こうから「ガリガリガリ」というひっかくような音と「ひゅー」という呼吸音が聞こえてきました。
階段を上がった人は命からがらその場から逃げ出しました。
扉の奥に何かがいる?
下から見ていた2人が見たもの
階段を上っていった人が上までたどり着いたところで突然しゃがみ込み、何かを必死に口に入れている様子を目撃します。
ここで口に入れているものというのが、おそらく階段の先で見た大量の残飯なのですが、階段を上った人はそんなものを食べた覚えはありません。
また、下から見ていた2人のうち、ひとりは壁や天井に影のようなものが動いているのを見てしまいました。
扉の向こうにいると思われた怪異は、実は出てきていた?
階段の先で、人ならざるものと遭遇してしまったんですね……。
旅館の2階に行った後は
3人は急いで旅館のアルバイトをやめ、逃げようと考えました。
これだけの怪奇現象に襲われれば、逃げたくもなりますよね
しかし、先程下から見ていたときに影を見てしまった人だけは、階段から離れてもずっとなにかが見えていたようです。
単純に逃げるだけではダメで、お祓いをしてもらわないといけないと主張します。
そこに旅館の旦那さんが追いついてきて、事情を知っているというお坊さんのもとで、お祓いを受けることになりました。
大学生3人のお祓いはなんとか成功し、憑いていたものを取ることは出来ました。
しかし……
女将さんは狂ってしまいエビのように跳ね回るようになってしまいます。
秘密に関わることで、女将さんはこうなっちゃったんですか……!?
次は、女将さんが手を出してしまった禁忌について見ていこう
階段の先の扉の向こうにいたものの正体
旅館がある土地には、とある伝承が伝わっていました。それがこちら。
子供を亡くした母親がへその緒をもとに子供の蘇生を試みる
蘇生した子供は
- 全身が青紫色で
- 体があり得ない程に膨らみ
- 腫れ上がった瞼の隙間から白目が覗き
- 辛うじて見える黒目は左右別々の方向を向いていた。
そして、口から何か泡のようなものを吹きながら母親に話しかける声はカラスの鳴き声のようだった。
旅館の女将さんは、伝承の儀式をやって子供を蘇生させようとしていた、ということですか?
その通り。ただ、女将さんのやり方は普通じゃなかったのか、あるいは複数回行ったのか、怪異は1体ではなかったんだ。
蘇生の儀式って、どういうふうに行われるんですか?
未だ詳細な儀式の手順については不明です
伝承として伝わっていることは間違いないようですが、本作の主人公たちが知ることはありませんでした。
個人的には、蘇生した子の様子が似ていることから、西行法師が実行したという反魂の術と類似した儀式ではないかと睨んでいます。
女将さんは、子どもを蘇生させる儀式を行い、その代償としてエビのように跳ね回るだけとなった
リゾートバイトまとめ
リゾートバイトは、子供を亡くした母親の執念が産んだ人ならざる怪異についての話でした。
実はこの話の中で、母親と子供が蜘蛛に喩えられています。これは
「母親の命を代償に蘇生した子供」が「母蜘蛛を食べる子蜘蛛」と重なって見えたため
のようです。
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