くねくねといえば、日本を代表する都市伝説(?)のひとつですが、最近では怪異症候群で初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなくねくねの詳細な情報についてまとめていこうと思います。
怪異症候群に登場する怪異の一覧および簡単な解説はこちらの記事から読めます。
くねくねとは
そもそもなんですけど、くねくねってどういう怪異なんですか? 名前からすると、蛇みたいなやつなんでしょうか。
特徴をリストにしてまとめると、こうなります。
もっと簡潔にまとめると、「田んぼなどに現れる白くてくねくねと動く人型の怪物」ですね。
次は、くねくねの目撃情報を紹介します。
もっとも有名なくねくねの目撃情報
こちらは、おそらく最も有名なくねくねの目撃情報ではないでしょうか。
『兄はここに置いといた方が暮らしやすいだろう。
あっちだと、狭いし世間の事を考えたら数日も持たん…うちに置いといて、何年か経ってから、田んぼに放してやるのが一番だ…。』
こわ速−怖がりでも見れる怖い話・怖いサイトまとめ
このおばあちゃんの発言も、かなり恐怖を誘いますね。くねくねを見ると、くねくねになってしまうのだろうか? 都会だと、くねくねへの変化が加速するのだろうか? など色々と考えてしまいます。
海に現れたくねくね
今度は、海に現れたくねくねの話です。
こちらの話もなんともリアルな描写で、とても生々しいという印象を受けますね。
本文中でも書かれていますが、もしその夏季合宿の時にメガネをかけていたら、Kちゃんと一緒に俺氏もどうなっていたことか……。
そう考えると、じわじわとした恐怖を感じます。
黒いくねくね
ここまでの目撃情報でのくねくねは、白色をしていましたが、今度は黒色のくねくねの目撃情報です。
さらに、このくねくねは周りに水がある場所ではなく、コンクリートやアスファルトに囲まれた都市の中で目撃されています。
このくねくねは、突然変異なのか、全く異なる怪異なのか、気になるところですね……。
くねくねの正体に関する考察
ここからは、くねくねの正体に関する考察をしていきます。
くねくね=タンモノ様説
タンモノ様は東北地方に伝わる民間伝承で、それを見るとメクラになるとかボケになるとか言われているそうです。
メクラとは、盲目であることを言うそうです。
ちなみに、タンモノ様で検索をかけても、くねくね関連の記事しか出てこず、タンモノ様がどういうものなのか詳細に書かれたものは見つかりませんでした。
そこで想像で語るしかないのですが、タンモノ様のタンモノとは反物のことを指しているのではないでしょうか。
反物の怪異といえば、一反木綿です。一反木綿は白い反物のような妖怪で、人の目をくらまして襲うとされています。
それが風になびく姿は、確かに白くてくねくねしているように見えるだろうというのは想像に難くないですね。
しかし検索で出ないだけに、タンモノ様の話が本当に伝承としてあるのかよく分からないというのが、この説の弱点ですね……。
くねくね=蛇神説
世界各国の原始宗教で大地母神の象徴として多く結びつけられる。日本においては水神として祀られ、龍神等との境界はほとんどない。
蛇神(へびがみ)とは【ピクシブ百科事典】
こちらはピクシブ百科事典から引用してきたのですが、蛇神は水神として祀られているそうです。
これを見ると、もしくねくねが蛇神なのであれば、水田や川原などの水がある場所に出現するのも納得な気がします。
しかし、正体を理解すると精神に異常を来たすという能力を持った蛇神が見つかりませんでした。
もしかすると、蛇神の能力というよりはクトゥルフ的な思考で、人智を超えた存在を見てしまったため精神に強いショックを受け発狂した、という理解をするべきなのかもしれません。
現実的な仮説
オカルティックな説を考えるには、まずは科学的な視点からの考察の矛盾を指摘する必要があるかもしれません。
科学的な仮説としてはこのようなものがあります。
- 熱中症による幻覚説
- 蜃気楼説
どちらも、夏場に目撃情報が多いという点に着目した説です。
まず、1についてですが、熱中症による幻覚であれば、複数の人に同じものが見えることの説明がつきません。
集団幻覚という説もありますが、同じ幻覚を見るためにはその集団が同じ意識を共有していることが前提とされることが多いです。
たとえば、ある集団が神が降臨したと口を揃えて言ったとします。もし彼らが見た神が幻覚であるとするならば、人によってその容姿は異なるはずなんです。
性別、年齢、服装、色合い、身長、体形…etc.
しかし、ここである集団というのが、宗教団体であるとすると、彼らは、同じ神を崇めているので、彼らの見る神には同じ特徴が表れる可能性が高くなります。
もしくねくねが集団幻覚であるとするならば、その深層意識に、夏の田んぼには白くてくねくねしたものが居るという考えが存在しているはずではないでしょうか。
しかし、その意識があるのであれば、ふざけてくねくねの正体を見てやろうとはしても、それがなんなのか分からずにじっくり見て発狂するなんてことは起こらないのではないかと思います。
次に、2の蜃気楼説考えてみます。
夏の水が存在するところでの目撃が多いことから、蜃気楼は発生しやすい条件が整っていると言えます。1のときに問題となった、複数の人が同じものを見るという問題が解消されていて、一見良い仮説のように思われます。
しかし、「蜃気楼を見たからといって発狂する訳では無い」という問題があります。
このように、1の説も、2の説も、くねくねの現象に十分な説明を与えないのです。
くねくね=ヒトガタ説
ヒトガタ(ニンゲンとも呼ばれる)は、日本政府が行った南極周囲での捕鯨調査の際に目撃された人型のUMAです。
全身は真っ白で、つるつるしており、夜に水中から現れるのだそう。
一説によれば、くねくねはヒトガタの亜種なのだと言います。
しかし、ヒトガタを見て発狂したという話は聞かないので、これもやはり十分な説明を与えてはくれませんね。
オカルト的考察をするならば、ヒトガタが邪視を獲得した可能性を考えるんじゃないかなと思います。
くねくね=大入道説
くねくねの正体は大入道じゃないかというのは、まだあまり情報が出回っていない初期の頃に提唱されたものですが、非常に納得のいく点の多い説でもあります。
こちらは、Wikipediaから引用した大入道の概要です。
名称は大きな僧の意味だが、地方によって姿は実体の不明瞭な影のようであったり、僧ではなく単に巨人であったり、様々な伝承がある。坊主(僧)姿のものは大坊主(おおぼうず)ともいう。また大きさも人間より少し大きい2メートルほどのものから、山のように巨大なものもある。
人を脅かしたり、見た者は病気になってしまうとする伝承が多い。キツネやタヌキが化けたもの、または石塔が化けたとする話もあるが、多くは正体不明とされている。
大入道 – Wikipedia
人の形をとることができたり、影のような姿であることもあるというように書かれています。
つまり、大入道はくねくねのような形態をとることがあるのです。
また、実態の不明瞭な影のような姿をしているのであれば、ゆらゆらしていても不思議ではないですし、ゆらゆらしているように見えてもおかしくないですよね。
見た者に災いをもたらすというのも、非常にくねくねと似ていますね。その災いが、病気という精神異常を包括した括りになっているのもよいですね。
くねくね=7人ミサキ説
7人ミサキとは、四国・中国地方を中心に伝わる都市伝説です。
確かにくねくねの目撃情報は東北で多く、7人ミサキの伝わる四国・中国地方からは遠いですが、面白い考察の種になりそうなのでピックアップしました。
7人ミサキは、常に7人セットで現れるとされる亡霊集団です。これに遭遇すると高熱を出して死んでしまうのだそうです。
そして、死んだ後は7人のうちの1人と入れ替わりで7人ミサキの仲間になるのだそうです。
目撃情報を紹介している時に、くねくねの正体を理解して狂ってしまった人は最終的にくねくねになるのだろうかという疑問を出しました。
もし、くねくねがはぐれてしまった7人ミサキの1人であると考えると、7人ミサキの性質的にくねくねは世襲制であるという説が浮上してくるのです。
ここまで言っておいて何ですが、7人ミサキは常に7人セットらしいので、単体で現れるくねくねとは関連はないんじゃないかなとは思います。
しかし、くねくねが世襲制かもしれないという可能性を提示した良い仮説だと思いました。
まとめ
くねくねとは、「白い人型の怪物で、くねくねと人間離れした動きをしている。遠くから眺める程度なら問題ないが、双眼鏡などでその正体をりかいしてしまうと狂ってしまう。」という都市伝説のことでした。
くねくねの正体に関する説も複数提示しました。しかし、今回挙げた説はいずれもくねくねを十分に説明するに至らないものです。
くねくねの正体を知ったら狂ってしまうというその性質上、真に迫った仮説はまともな状態の人から聞くことはできないというのが難儀なものですね。
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