「アガリビト」という名前を聞いたことがあるでしょうか?この謎めいた存在について、あなたはどのように考えますか?
本記事では、恐怖を誘う「アガリビト」について考察していきます。この都市伝説は、多くの人々を震え上がらせ、長年にわたって謎とされてきました。今回は、アガリビトの正体に迫るとともに、サンカや野生児との関連性についても探っていきます。
なお、本記事ではアガリビトに関する情報を、網羅的に取り上げるわけではありません。また、アガリビトのあらすじについても触れません。
アガリビトってなんだ?という方は、先にアガリビトについての基本を他の記事でおさらいしていただけると、より楽しめると思います。
さあ、一緒にアガリビトの謎に迫っていきましょう。本格的な恐怖体験が待っています。
アガリビトと祟り人(タタリビト)の共通点と可能性
アガリビトのスレには、「『崇りビト』で調べてみ」という書き込みがあります。
ところで、崇りビトってなんなのでしょうか。いくつか返信が流れた後、「アガリビトって祟り人のことかよ」という書き込みがあります。
最初は「崇り」と書いてあるにも関わらず、別の人は「祟り」と書いているんですよね。
その後、祟り人についての書き込みがありました。こちらです。
祟り人は口減らしとか、気狂いとされて山に捨てられた人が山神様の加護で生き延びていて人に恨みを持っているので出会うと襲ってくる。
けど山神様の加護を受けてるので、人が手を出すと祟られる。故に祟り人。
こちらの情報の裏取りを行うべく、Google検索にて「祟り人」「祟りビト」「タタリビト」の3つのキーワードで検索をかけてみました。
その結果がこちら
「祟り人」
「祟りビト」
「タタリビト」
※ Googleは、ユーザーの興味や過去の検索を踏まえて検索結果を変えることがあるので、私の環境の影響がないようにプライベートモードでの撮影です。
見ての通り、スレで触れられている祟り人と思われるものに言及しているサイトはありませんでした。「祟りビト」の1位に来ている記事がそれっぽく見えますが、中身はアガリビトのコピペですので求めているものとは異なります。
この結果を受けて、アガリビトのスレが活発だった2010年ごろの、日本国内の検索エンジンシェアを調べてみました。
データの参照元https://www.netratings.co.jp/news_release/2010/05/Newsrelease20100527.html
こちらのデータの検索結果ページビュー数で見ると、YahooとGoogleで全体の90%以上を占めていることが分かります。
ところで、Yahooは2011年からGoogleの検索エンジンを採用していますね。
参考https://webtan.impress.co.jp/n/2010/07/27/8474
また、Googleのアルゴリズムも常に改善が続けられています。祟り人について記述したサイトが閉鎖された可能性もあるでしょう。
これらのことから、2010年当時はヒットしたが、今は見つからないという状態も考えられなくはないのかなと思います。
それでも、1つくらいは残っていてもおかしくないとは思いますが。。。
一応ですが、国立国会図書館の検索を利用して、情報がないか探してみました。しかし、こちらでもめぼしい情報を得られませんでした。
さて、以上を踏まえた私の考察です。
祟り人(タタリビト)は、少なくとも一般的な言葉でないことは明らかと言って良いでしょう。
検索に引っ掛からなかったのは時代の流れによって、昔は得られた情報が現在は得られなくなっているためと考えられます。
それでも全く情報を得られないのは不自然だと思うので、祟り人はアガリビト関連の創作である可能性が高いと考えます。「アガリビトって祟り人のことかよ」という書き込みも自演の可能性すらあると考えています。
もし、祟り人に関する情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、コメントで教えていただけると助かります。
サンカの生活形態から考えるアガリビトとの関連
引き続いて、アガリビトの掲示板への書き込みをきっかけとする考察をやっていきます。
テーマは、「アガリビトとサンカの関連性について」です。
こちらは「サンカ」についてWikipediaから引っ張ってきた情報です。
サンカは、日本にかつて存在したとされる放浪民の集団である。少数民族のように民族の区別があるのではなく、賤民になった多くの土着日本人が労役に耐えらず、山地に逃げて住んでいたのが起源であり、明治期に初めて山地に住んでいる貧困な日本人集団を警察がサンカと呼んでいた。本州の山地に住んでいたとされる。定義については後述のように激しく論争されてきた。呼称は日本の警察による便宜上のものであり、差別用語としても使われる。労役から逃れるため、本州の山に避難した日本人、または戦国時代に没落した日本人である。
サンカ – Wikipedia
「サンカと関係あるのかな?」と書き込みをした人が、アガリビトからサンカを連想した理由は割と分かりやすいですね。
「山の中に住んでおり、人間社会とは隔離された環境に身を置いている」部分に似たものを感じたのではないでしょうか。
しかし、サンカにはアガリビトに見られない特徴が、その生活形態にあります。それがこちら。
定住することなく狩猟採集によって生活する。箕を生産することでも知られ、交易のために村々を訪れることもあった。
サンカ – Wikipedia
この文から読み取れるアガリビトと区別するべきポイントは「箕を生産することでも知られ、交易のために村々を訪れることもあった」という点です。
なぜこれがアガリビトにはないと言えるかというと、次の2点が根拠になります。
ここから、「箕を生産したり、交易を行ったりすれば、純粋な自然に触れていることにならない」「アガリビトと遭遇することで『上がる』のであれば、村との交易など不可能」と言えます。
つまり、アガリビトであるならば、サンカと同様の生活形態を維持することはできないはずなのです。
私の出した結論は、「アガリビトとサンカの間に関連があるとは言えない」です。
ところが、人間からアガリビトへの変化の過程において「人間→サンカ→アガリビト」という流れがあるかもしれません。この流れがあるかどうかについては、調べることができませんでした。
今後の調査や考察によっては、アガリビトとサンカの関連性が浮かび上がる可能性もあります。
アガリビトと野生児
最後に考察するのは「アガリビトと野生児の関連性について」です。
なぜ野生児との関連を考察するのかといえば、単に私が野生児とアガリビトって似てる部分があるよなと思ったからです。
まずは、野生児の定義をWikipediaから引っ張ってきましたので、こちらをご覧ください。
野生児とは、なんらかの原因により人間社会から隔離された環境で育った少年・少女のこと。野生人とも。
野生児 – Wikipedia
どうやら、野生児とは「少年・少女」らしいです。
その一方で、実例の部分には22〜25歳程度の青年の例が掲載されています。あまり年齢の部分は気にしなくとも良いかもしれません。
さて、それでは野生児の特徴を見ていきましょう。今回は野生児とアガリビトとで共通する特徴をピックアップしています。
アガリビトは「ンー」などと言葉とは思えない音を発しており、言語能力は確認されていません。
羞恥心がなく、衣服を着用しようとしない点も、常に裸で山中を歩くアガリビトの特徴と一致します。
逆に相違点はというと、アガリビトは「生まれつき自然と一緒の動物と違って、人間の知恵と自然の力を持つようになった」という点があります。
野生児は、幼い頃から人間社会と関わることなく成長しています。つまり、生まれつき自然と一緒と言っても差し支えないはずです。
以上を踏まえて、私の考察です。
アガリビトと野生児は別物だと思われます。本質的に野生児は超自然的な力を持てず、どこまで行っても人間という種族の枠組みから外れることはできません。
アガリビトと人間に共通点があるのと同じように、アガリビトと同様に自然の中で生活している野生児にある程度の共通点があるのは当然のことで、直接の関連性を示すものではないと思います。
野生児と祟り人の相似性
この項はおまけです
野生児の説明を聞いて、なんとなく聞き覚えがあると思いませんか?
こちらは、アガリビト関連の書き込みであった、祟り人の説明です。
祟り人は口減らしとか、気狂いとされて山に捨てられた人が山神様の加護で生き延びていて人に恨みを持っているので出会うと襲ってくる。
けど山神様の加護を受けてるので、人が手を出すと祟られる。故に祟り人。
「山神様の加護で生き延びていて」の部分や、「口減しや気狂いを要因に山に捨てられた」の部分が野生児の成因と類似しています。
前項は、アガリビトと野生児との関連性を考察するのが目的でした。しかし意外なことに、最初の項で創作の可能性が高いと切り捨てた「祟り人」との関連性が浮上してきたのです。
これを踏まえて祟り人を再考すると、祟り人が野生児、またはその一部を指す言葉である可能性があります。もしそうなら、祟り人が限定された地域でのみ使用される言葉だったため検索でもヒットしなかったのかもしれません。
まとめ
- 現段階では、サンカとアガリビトは関係があるとは言えない
- 祟り人は一般的な言葉ではないが、野生児と関係がある可能性がある
- 野生児は、年齢という壁があり、アガリビトとの関連を述べるには苦しい
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