先輩、持ち主に災いをもたらす呪いのアイテムが知りたいです
それなら、リンフォンがおすすめだよ
どんなアイテムか教えて下さい!
リンフォンの話を読んだことがない方は、こちらから読むことができます。
リンフォンとは
リンフォンは、木で作られた正二十面体のパズルです。付属の説明書には遊び方が書かれており、英語のものとラテン語のものがついています。
リンフォンの変化
パズルって言ってましたけど、正二十面体でどうピースをはめるんですか?
リンフォンはピースをはめるタイプのパズルじゃなくて、パーツを動かして形を変えるんだよ
パーツを動かすと、ただの正二十面体から3種類の動物に変化します。
最初はクマ、次にタカ、最後は魚に変化しますが、最後の魚だけクマやタカと比べても完成させるのが難しくなっています。
リンフォン発見の経緯
アンティークショップ巡りが趣味の男女がとあるアンティークショップに行きました。その際、お店に置いてある正二十面体の置物らしきものを発見し、彼女がそれを購入しました。
その後、パズルを解くにつれて奇妙な電話がかかってくるようになったり、奇妙な夢を見るようになったりしたことで異常性が発見されました。
リンフォンの異常性
リンフォンの所有者およびその周囲の人物は、パズルが進行すると次のような現象に襲われます。
- 「彼方」という表示で頻繁に(体感30秒に1回)、電話がかかってくる。電話に出ると、街の雑踏のようなざわざわとした音と、大勢の話し声が聞こえてくる。
- 「非通知」の表示で電話がかかってくる。電話に出ると、大勢に「出して」と言われる。
- 暗い谷底から大勢の裸の男女が追いかけるように這い登ってくる夢を見る。
なお、所有者の女性は、リンフォンを非常に楽しいと感じているようで、寝る間も惜しんでパズルをやっていました。
しかし、こちらについては異常性ではない可能性が高いです。詳しくは考察で書きます。
リンフォンの正体
リンフォンは地獄の門の役割を果たしており、パズルを解くことは、地獄の門を開くことを意味します。
人の手に乗るほど小さいですが、非常に凝縮されており、夥しい数の鬼や亡者たちが入っています。具体的にどのくらい鬼や亡者が入っているかは不明です。
購入者の女性は、パズルを解く(=地獄の門を開く)ことによって、その中に閉じ込められていた魑魅魍魎たちの干渉を強く受けるようになり、それが電話や夢として現れたものと考えられます。
なお、リンフォンが地獄の門であることを指摘したのは、とある占い師のおばさんでした。そのときのやりとりをご覧ください。
猫おばさんにここまで言われたら、流石に捨てたんですよね……?
うん。2人は家に戻るとすぐにリンフォンと説明書を新聞紙に包んで、更にガムテープでぐるぐる巻きにしたうえで破棄したよ。
呪いのアイテムにありがちな、捨ててもいつの間にかに戻ってきてるなんてことは……。
安心して。ちゃんと捨てられたみたいだよ。
リンフォンの名前の由来
リンフォンの名前の由来は、infernoのアナグラムだという説が話の最後で語られています。
infernoを並べ替えると、rinfoneになると言うのです。
ちなみに、infernoの意味をWeblio英和辞書で調べてみると、「地獄、地獄さながらの光景、大火」とのこと。
リンフォンは、猫おばさんの言うとおり地獄だったということですよね…。
リンフォン考察編
地獄の門が開くと死ぬ
この物語では、彼女が最後に「魚、完成していたらどうなってたんだろうね」と言っています。
幸いなことに、この物語では魚が完成する前にリンフォンを破棄することができたので、奇妙な電話と悪夢以外の被害を受けずに済んでいます。
ここで気になるのが、悪夢の内容です。
ゆきちゃん、下から自分を追うように這い上がってくる亡者たちというシーンで何か思いつくものはない?
うーん……。蜘蛛の糸、でしょうか。
そうなんです。
リンフォンは極小の地獄ということを踏まえると、悪夢が蜘蛛の糸を彷彿とさせるものになっていると思いませんか?
夢の中で見た暗い谷底は、地獄の底だった。
この物語では、リンフォンの封印が完全には解かれていないこともあり、男性は地獄から脱出することができましたが、完全に封印が解かれてしまったら亡者たちが溢れ出すことになります。
また、リンフォンが亡者たちを抑えてくれていたので脱出できたのだとすれば、封印が解けてしまえば地獄から脱出することもできなくなるでしょう。
彼らは、地獄の夢から覚めることが叶わなくなってしまうのではないでしょうか。
リンフォンには自身を解かせようとする作用はない?
そういえば先輩、途中で女性が寝る間も惜しんでパズルをしたのは異常じゃないと言ってましたけどあれはどうしてですか?
それじゃあ、その考察も話そうか。
リンフォンは所有者にパズルを解かせようとする作用はないと考えた根拠は次の2点です。
- アンティークショップ店主が、リンフォンの作用を受けていなさそうということ
- 解かせようとしていると考えるには、強制力が弱い
特に2について、確かに徹夜するほど彼女がパズルにハマっていたのは事実です。
しかし、徹夜したその日も仕事に行っていますし、次の日はちゃんと寝ています。
もしリンフォンにパズルを解かせようとする性質があるのであれば、もっと仕事に行ったり寝たりするのを渋る様子が見られてもよいはずではないでしょうか。
こういったことから、私はリンフォンにパズルを解かせようとする作用はないと考えます。
面白いリンフォンの考察をしている方を紹介
ここで紹介するのはこちら。
この方によれば、
門になる前の「魚」の形状。
これは何を意味しているのか。
私なりの推測だがこれは恐らく「イエス・キリスト」
を表していると考えている。
なぜなら、「魚」は「イエス・キリスト」の象徴だからである。
今更ながらリンフォンについての考察
何故「魚」なのか。
ギリシャ語で「魚」はΙΧΘΥΣと表記する。
これは即ち
ΙΗΣΟΥΣ ーイエス
ΧΡΙΣΤΟΣ ーキリスト
ΘΕΟΥー神の
ΥΙΟΣー子
ΣΩΤΗΡー救世主を意味する頭文字を並べたモノグラムなのだ。
今更ながらリンフォンについての考察
このリンフォンの作り手の恐らくキリスト教徒とおぼしき人物は
これも推測だが、家族や仲間の多くを弾圧により失った。彼の喪失感、絶望は図りしれないものがあっただろう。
そして、そんな彼の心の隙間に入り込んだものこそが
悪魔である。
悪魔は彼に囁いた。
お前の家族を、仲間を奪ったもの達に復讐すればいい。
キリスト教徒ではないものを
キリスト教徒を迫害するものを
魚の命を狙う、熊や鷹のような奴等を地獄に導けばいいのだ。
と
今更ながらリンフォンについての考察
寡聞にして、私はキリスト教について全然知りません。
しかし、地獄という宗教とつながりの深い概念と、リンフォンが取る動物たちの形態の謎、そしてリンフォンはどうやって作られたのか、というのをすべて説明してしまうこの考察は非常にすばらしいものだと思います。
最後にまたリンクを貼っておきますので、ぜひご覧ください。
リンフォンまとめ
リンフォンは木製で正二十面体のパズル。
その正体は地獄の門で、内部に極小サイズの地獄を保持している。
パズルは、熊ー鷹ー魚の順で変化し、魚に変形するのは非常に難しい。
ここまで読んでくださりありがとうございました。この記事を読まれた方には、こちらの呪物の記事がおすすめです!
コメント
忘れない為にココに書く。
リンフォンは実在してました。
購入を考えていた1人です。
原文は載せれないと思うので、コメント欄から訂正しつつ…
(原文順)
販売していた場所は、東北地方。
アンティークショップ→リサイクルショップ(建物も現在)
私は、開店日、2日後、1週間後の3回来店しました。その内2回現物見ています。
バケット→トウで編んだバケット
バケットにあった時は6700円
2日後は右の棚に陳列されており、1万円で売っていた
1週間後には無くなっていました。
リンフォンの構造は、ツイッターでつぶやいていた方がいました。画像のその商品とほぼ一緒です。色と大きさが違うだけです。
リンフォンは最後に捨てられたみたいですね。運が良ければゴミ焼却場にあるかもしれませんね。